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■登記識別情報通知って何ですか?

親が亡くなり、相続した不動産について相続登記をしたところ、法務局から「登記識別情報通知」を受け取りました。「登記識別情報通知」とは一体何なのでしようか?

「登記識別情報通知」とは、文字通り「登記識別情報」を通知するために発行されるものです。「登記識別情報」とは、2005年に施行された新不動産登記法により、オンライン申請に対応するために従来の権利証に代わるものとして、不動産の所有者などに発行されることになったものです。
登記識別情報は、英数字12桁の組み合わせでできています。不動産及び登記名義人となった申請人ごとに定められ、登記名義人となった申請人のみに通知されます。非常に重要な情報ですので、登記識別情報が記載されている部分は折り込まれていたり、シールが貼られていたりして、情報は隠されています。
登記識別情報が発行された不動産について、以後、売却や贈与、抵当権設定などの登記申請をする場合には、その不動産の登記名義人であることの証明資料として、登記識別情報を法務局に提供することとされています。もっとも、登記識別情報を紛失したとしてもそれらの手続きができなくなるわけではありませんのでご安心ください。
登記識別情報が第三者にメモをされたり、コピーされたりすると、従来の権利証が盗まれたのと同様、不動産を勝手に処分される危険性が生じます。そのため、「登記識別情報通知」の折り込み部分は開封しない(シールが貼られている場合は剥がさない)ことを強くお勧めします。
「登記識別情報通知」は再発行できませんし、登記識別情報の記号番号の変更もできません。第三者に盗み見られないように通知書は封筒に入れ封をし、金庫等に保管するなどして厳重に管理してください。(なお、不動産登記法の規定により、不正に登記識別情報の取得をした者は、懲役または罰金に処せられます。)
「登記識別情報通知」が盗まれた、登記識別情報を盗み見られた、「登記識別情報通知」を紛失した、こういった場合には、不正な登記申請に用いられることがないように、登記名義人又はその相続人は、法務局に対し、登記識別情報について「失効の申出」をすることができます。
なお、登記識別情報が失効となった後や登記識別情報を紛失してしまった場合に、その不動産について売買や贈与、抵当権設定といった登記の申請をするときは、司法書士による本人確認手続や法務局の事前通知手続などを利用することとなります。
詳しくは、お近くの司法書士事務所、または埼玉司法書士会(☏048・863・7861)へお尋ねください。

(司法書士 千代間道子)

埼玉新聞 令和2年11月5日から転載

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