
■コロナ禍で営業自粛、自宅待機期間の給料の支払いは?

私は居酒屋でアルバイトをしています。シフト制で大体週5日は店に出て働いてきました。昨年12月になって店が埼玉県の営業時間短縮要請に協力することになり、私は自宅待機となりました。心配なのは自宅待機の間の給料です。このままではそう遠くないうちに私の貯金が底をつき、家賃を払うこともできなくなります。
店のオーナーからは、そもそもシフトを決める前に休業になったのだから、給料も払えないといわれました。自宅待機の間の給料について教えてください。

これまで週5日平均で勤務してきたのであればシフト制のアルバイトであっても、法律上の「労働者」に該当する可能性が高いです。労働者に該当するのであれば「使用者の責に帰すべき事由」による休業の場合には、使用者は休業期間中の休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払わなければなりません(労働基準法第26条)。まずは、オーナーに休業手当の支払いを求めてみましょう。国も雇用調整助成金などで休業手当を支払う企業に助成金を出しています。
しかし、消極的なオーナーにアルバイトという弱い立場で休業手当の支払いを求めて交渉するのは難しいという方も多いかもしれません。国では新型コロナウイルス感染症の影響で事業主の指示により休業となった労働者に「新型コロナウィルス感染症対応休業支援金・給付金」を用意しています。この給付金は、2021(令和3)年2月28日までの間に、事業主の指示により休業した中小事業主の労働者であって、その休業に対する賃金(休業手当)を受けることができない方が対象です。条件に当てはまる方には、休業前賃金の8割(日額上限11,000円)が休業実績に応じて支給されます。この給付金は労働者本人が申請することができますが、事業主に書いてもらう必要がある書類もあります。「うちのオーナーはシフト制だから休業じゃないと言って協力してくれない」という相談者のような方も、諦めずに申請書に事業主の協力が得られないこと、事業主の主張などその他関連する事情を記載して申請してみてください。労働局から事業主に対して報告を求めてくれます。申請方法について詳しく知りたい方は厚生労働省HPなどをご確認ください(厚生労働省コールセンター 電話0120-221-276)。
詳しくはお近くの司法書士事務所、埼玉司法書士会(電話048-863-7861)へお問い合わせください。
埼玉新聞 令和3年1月7日から転載