■トラブルの相手と話し合いをしたい
私は、会社の同僚からボーナスが出たら返すからと懇願されて、20万円を貸しました。ところが、ボーナスが支給されても同僚は一向に返済せず、返済を催促しても、のらりくらりとかわし続けて、最近では社内で私を避けているようです。私の生活も余裕があるわけではなく、早く返してほしいのですが、相手は会社の同僚であり、仕事に影響する可能性があるので、裁判まではしたくありません。できれば相手と直接話し合いをして、相手の事情も聞きたいと思っています。何か方法はありませんか?
埼玉司法書士会調停センターは、埼玉司法書士会が開設する裁判によらずに争いごとを解決するための法務大臣の認証を受けた機関です。紛争の目的の金額が140万円を超えない民事に関する紛争について、調停センターを利用することができます。今回のケースのように、相手が同僚や近隣住民であり、今後の生活を考えると大事にはしたくない場合、金額が多額でなく、裁判を起こすと費用倒れになる場合などに利用していただけます。
この調停の特徴は、①当事者が同席・対面して話し合いをすること、②司法書士が中立の立場で同席し、公平・公正な話し合いのお手伝いをすること、③解決方法は当事者が話し合って決めること、などが挙げられます。話し合いがまとまって和解できた場合には、当事者が納得して決めた内容となりますので、その約束が守られる可能性は高くなると思われます。
手続費用として、申立事務手数料5000円、期日手数料2000円、和解契約書作成手数料5000円(いずれも消費税別)がかかりますが、平成29年12月28日までに調停センターの利用申込をした場合、手続費用はかかりません。
詳しくは、埼玉司法書士会調停センター(☎048・862・6600)、お近くの司法書士事務所、または埼玉司法書士会(☎048・863・7861)へお尋ねください。
(司法書士 青木輝美)
※埼玉新聞平成29年5月4日から転載