埼玉司法書士会

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■借りたお金を返せない!途方に暮れています。

 新型コロナウイルス感染症の影響により仕事が減り、生活が厳しくなりました。社会福祉協議会が実施している特例貸付を利用しましたが、返済期限が迫っています。生活の状況は変わらず、返済の目途も立っていません。消費者金融からお金を借りてでも返済しなければならないのでしょうか。他に何か頼ることのできる制度はあるのでしょうか?

 新型コロナウイルスの影響によって収入が減少した方が、借り入れをした結果、返済ができないという相談はよくあります。その後、生計を立て直すことができず、自己破産をする事例も急増しています。

 今回は社会福祉協議会の特例貸付を利用されたということですが、生活が苦しい方には返済を免除する取り扱いがあります。ただし、自動的に免除されるわけではありません。要件に該当する場合には社会福祉協議会に対して申請が必要となります。申請期限もありますので、早めに確認して手続きの準備を進めてください。免除対象となる特例貸付の区分や要件など取扱いについての規定は分かりにくいものです。詳しい点については、個々に確認が必要となります。

 特例貸付の免除を受けても今後の生活の見通しが立たないとき、例えば消費者金融からの借り入れや銀行カードローンがあったり、未払いの家賃や諸々の未払い料金等がある場合には、債務整理の手続きをしたり、また、収入が追い付かず、生活が苦しい場合には生活保護の利用をすべきケースがあります。これらの手続きを躊躇する方もいらっしゃるかもしれませんが、生活を続けていくため、生活を再建するため、これらの制度を活用できます。

 なお、その場しのぎのお金を高金利で貸そうとする業者はたくさん存在します。最近は新手のヤミ金融も出現しており、一層の注意が必要です。カードローンなどでその場しのぎの借入をすることも可能ですが、その後の返済のことを想像してください。借りるまではよくともその後の返済ができないことによる相談が増えています。我々司法書士は生活困窮者の支援に関わることも多く、生活保護等の利用に向けた支援にも取り組んできました。ぎりぎりまで追い込まれるまで1人で悩まず、制度の内容やお手続きなどに不安なことがありましたら、まずは司法書士にご相談ください。

 専用の電話相談としてクレジット・サラ金電話相談を毎週月曜日13時~16時(☎048・838・1889)に設置しております。第1、第3月曜日は生活が困窮した方向けに特化した電話相談となっております。詳しくは、お近くの司法書士事務所、または埼玉司法書士会(☎048・863・7861)へお尋ねください。

(司法書士 髙橋円)

埼玉新聞 令和4年9月8日から転載

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