■定期購入トラブルに御注意!
SNS上の広告で「初回500円」との記載のあるダイエットサプリをお試しで購入したところ、翌月も同じ商品が届き、商品代として5,000円を請求されました。1ヶ月分を1回だけ購入したつもりでしたが、そこで初めて定期購入を申し込んでいたことを知りました。2回目以降の商品の代金も支払わなければならないのでしょうか。
本件のようなインターネットを利用した通信販売の場合は、訪問販売等とは異なり、クーリングオフ制度の利用ができません。訪問販売等のように不意打ち的に商品を購入させられた訳ではなく、自分から商品の販売ページにアクセスして内容を確認した上で、購入の申込みを行なっていると考えられているためです。
今回のようなケースで解約をするためには、原則、販売ページや規約などに記載されている解約条件等に従う必要があります。
ただし、解約・返品条件等が定められていない販売ページで購入した場合は、商品の受領後、8日間は申込みの撤回又は売買契約の解除をした上で、送料を消費者が負担することにより商品の返品をすることができます。
そのため、まずは解約条件等がどのようになっているかご確認ください。
また、解約条件等の記載があったとしても、その条件がとても限られた内容(例えば一定期間の電話による解約の申し込みでしか解約できないなど)で、実際に解約の電話をしたが期間内つながらなかったといった場合に、その旨の記録をしておけば、解約期間を過ぎていても事業者と解約の交渉は可能であると考えます。
その他にも、そもそも未成年者が購入していた、申込画面において定期購入が条件であることが書かれていなかった、と言った場合には、民法や消費者契約法の規定に基づいて契約の取消しを請求できるケースも考えられます。どのような申込画面から申し込んだか、また、事業者とどのようなやり取りを行ったかについては、詳細に記録・保管をしておくようにしましょう。
今回のケースのような定期購入トラブルは、近年急激に増えてきており、特にSNSや無料アプリの広告から販売ページに誘導されるケースが多いようです。そのため、パソコンやスマートフォンで商品を購入する際は、定期購入か否か、支払金額はいくらか、解約の条件はどのようになっているかなど、慎重に確認してください。
詳しくは、お近くの司法書士事務所、または埼玉司法書士会(☎048・863・7861)へお尋ねください。
(司法書士・天川学)
埼玉新聞 令和3年12月2日から転載