■対話促進型調停
私が子供を連れて友人の結婚式に出席した際、7歳になる子供が他の出席者にぶつかって服を傷つけてしまいました。子供の不注意によるものですが、その方は大事な服を傷つけられたと言ってとても怒っており、修復費と慰謝料で30万円請求されています。何度か話し合ったのですが、どうしても話しが平行線となり解決に至りません。裁判とかはしたくないのですが、どうしたら良いでしょうか。
当事者同士で話し合いをされているけれども解決ができなくて困っている、というお話しですね。特に相手がご友人の結婚式に出席された方となれば、ご友人又はご友人のお相手の方と関係のある方かと思われますので、そのような方と裁判で解決するというのは避けたいとお思いになられるのも理解できます。裁判以外の解決方法として第三者を交えた交渉や調停(裁判所や民間事業者)などがありますが、今回は「対話促進型調停」を行っている当会の「はなしあい解決支援センター“いっぽ”」についてご紹介します。
「対話促進型調停」は当事者同士が同席し、中立の司法書士(調停人)が話し合いの進行を行います。調停人が判断を下すのではなく、当事者自身がどのように解決をするかを自分たちで決めることができるのが特徴です。
「対話促進型調停」にはいくつかルールがあり、交互に話しをしていただくこと、相手が話しをしているときはしっかり聴いていただくこと、相手を非難、批判する言葉は避け、自分たち自身でどのようにしたら良いかを考えていただくなどがあります。
調停人は当事者の方が話をした都度、お話をされた方に対してその内容を確認、整理をして相手の方にお伝えし、次に相手の方に話をしてもらう、という作業を繰り返します。
調停人は話を整理する際、各々の当事者が話していることについて、何を大切にしているのか、どのようなことを問題にしているのか、どのように解決したいのかなど、当事者が本当に解決したいことや本音の部分について注意を払いながら話を聴き、当事者双方が相手の考えなどを少しずつ理解して自分たちにとってどのような解決がより良いものなのかを見つけていけるように話し合いを支援していきます。
詳しくは、お近くの司法書士事務所、または埼玉司法書士会(☎048・863・7861)へお尋ねください(埼玉司法書士会はなしあい解決支援センター“いっぽ”へは☎048・862・6600)。
(司法書士 岡村真志)
埼玉新聞 令和6年11月7日から転載