■敷金は返還請求できると聞くけれど、、、、
私は、先日、借りていたアパートの賃貸借契約を解除しました。そして最後にアパートの返還時の立ち合いということで、貸主さんと不動産業者さんと私の３人で会いました。その時に、いろいろ不動産業者さんから説明されて、「クリーニング代は借主さんに支払ってもらうことになっているから、敷金は返金できませんよ。」と言われました。後で契約書を見てみたら、確かにそう書いてあります。
でも、敷金は返還請求ができるとも聞いたことがあります。やはり契約書に「クリーニング代は借主が支払う」と書いてある以上、敷金の返還請求はできないのでしょうか。
アパートを借りる時には賃貸借契約を貸主と借主が取り交わします。その時に、多くの場合、敷金というお金を借主から貸主へ交付します。この敷金とは、借主が賃貸借契約により支払わなければならない家賃等を、万一、支払えなくなった時の担保として交付するものです。
ですから、もし借主が家賃などの延滞をせずに契約を解除した場合は、アパートを通常に使用していた限り、その担保をする必要がなくなるため、貸主は預かった敷金を借主に返還しなければなりません。
ただ、一方でアパートを特別に汚してしまったなどの事情がある場合には、その部分については借主がクリーニング代などを支払わなければなりません。
ご注意いただきたいのは、あくまで特別に汚してしまった場合に限るのであって、契約書に書いているからと何でも借主がクリーニング代を支払わなければならない訳ではないということです。ですから、契約書に書いてあるからと言われても諦めずに、安心して司法書士にご相談ください。
詳しくは、お近くの司法書士事務所、または埼玉司法書士会（☎０４８・８６３・７８６１）へお尋ねください。
（司法書士 古久根章典）
※埼玉新聞 平成３１年４月４日から転載