埼玉司法書士会

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■裁判以外の解決方法を教えてください

私は知人からネックレスを借りて結婚式に出席しましたが、結婚式で転倒しネックレスを壊してしまい、弁償として80万円請求され大変困っています。私の不注意によるものですが、それほど高価なものでもなさそうですし、80万円は支払えません。ただ裁判までするのは気が引けるので何か良い解決方法があれば教えてください。

それは大変でしたね。まず裁判(訴訟)以外の解決方法はいくつかあり、一つはあなたと知人の方が直接交渉するという方法です。この方法は当事者のみで話し合うので、事情や感情が支障となり、なかなかうまくいかないことが多いと思われます。

次にあなたの代わりに話をしてくれる方(代理人)を探して知人の方と交渉する方法があります。この場合の代理人は司法書士など紛争解決ができる資格を持っている必要があり、報酬も発生しますので費用や信頼できる資格者を探すことができるかという点が問題になるかと思います。

その他に調停という方法があります。調停には裁判所の調停と民間の調停があり、どちらも調停を行う人(裁判所の場合は「調停委員」、民間の場合は「手続実施者」)があなたと知人の方との間に入り、双方の話し合いによって解決を目指します。民間の調停は事業者によって取り扱う内容が異なりますが、埼玉司法書士会には法務省の認証を取得した「埼玉司法書士会調停センター」があり、価額が140万円以下の民事に関する紛争を取り扱っています。あなたの場合80万円の賠償の問題ですので当センターで取り扱うことできます。裁判所の調停と大きく異なる点は、当センターの調停ではあなたと知人の方が同席して話し合い、納得した解決方法を当事者自身で見つけてもらうという点です。当センターの手続実施者は、当事者自身が納得した解決方法を見つける話し合いを支援するための研修を修了しており、特にお互いの事情や誤解といった部分を含め、どの点が問題となっていて、お互いにこれからどうしたら解決できるか、といったことを確認、整理をしながら話し合いを進めていくという特徴があります。その他にも費用や調停を行うことができる曜日、時間などいくつか違いがあります。

以上のようにいくつか解決方法がありますが、あなたにとってより良い解決方法を選択されることをお薦めします。

詳しくは、お近くの司法書士事務所、または埼玉司法書士会(☎048・863・7861)へお尋ねください。

(司法書士 岡村真志)

※埼玉新聞 平成31年3月7日から転載

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